PVDF(ポリフッ化ビニリデン) | 加工性に優れたフッ素樹脂

PVDF(ポリフッ化ビニリデン) | 加工性に優れたフッ素樹脂

用途に合わせ、様々なグレードのPVDFをご用意

PVDFは耐熱性・耐食性・耐候性など、フッ素樹脂としての様々な性質を持ちながら、加工性に優れた素材です。丸紅プラックスでは、用途に合わせ、様々なグレードのPVDFをご用意。高い品質と価格安定性でお客様をサポートします。

PVDFとは?


PVDF(Poly Vinyli dene Fluoride)とは、フッ素樹脂の1つで、ポリフッ化ビニリデンとも呼ばれます。外観は半透明または白色です。耐熱性・耐食性・耐候性など、フッ素樹脂としての優れた性質を持ちながら、加工しやすい素材です。半導体、リチウムイオン電池のバインダーといった電子材料や、建築フィルム、配管継手、釣糸・楽器の弦、など幅広い用途で利用されています。

PVDFの分子構造

PVDF(ポリフッ化ビニリデン)は、分子鎖緊密で、強い水素結合を持ちます。この水素結合は、分子鎖同士を強く結びつけ、材料全体の強靭さと強度を向上させます。また、水素結合はPVDFの分子の極性を強調し、それによって特定の物理的・電気的性質をもたらします。

PVDFの特徴

フッ素樹脂の一種であるPVDFは、汎用樹脂と比較して、耐熱性、耐薬品性、耐候性などに優れています。また、PVDFはフッ素樹脂の中でも特に加工性が良く、機械的強度にも優れていることから、様々な用途で活用されています。

フッ素樹脂ならではの特長(汎用樹脂と比較した強み)

耐熱性・耐寒性

PVDFは高温・低温の環境下でも使用可能です。

耐食性・耐薬品性

酸・アルカリ・塩などの化学薬品に対して耐性があり、腐食や変質が少ないです。

耐候性

太陽光や雨などに晒しても劣化せず、屋外でも使い続けることができます。

低摩擦性

摩擦による表面のすり減りが少なく、滑りやすい性質を持ちます。手触りも非常に滑らかです。

非粘着性

物質がくっつきにくいため、汚れ防止用途に活用できます。

電気絶縁性

電気を通しにくい特性を持ち、電気絶縁材料として使用されています。

溶接など 様々な加工が可能

他のフッ素樹脂に比較して、加工性が高いです。融点と熱分解温度の差が大きいため、様々な加工方法に対応可能。溶接のほか、射出成型・押出成型といった成型加工、粉末コーティングなども可能です。

機械的強度が高く 非常に頑丈

フッ素樹脂のなかでも最高の機械的強度を持ちます。圧縮・引張などに対する耐久力が高く、非常に丈夫です。その特性を生かし、ギターをはじめとする楽器の弦や、釣り糸としても使われます。

PVDFの用途

配管・配管継手・ポンプ・バルブ

PVDFの耐薬品性や機械的強度を生かし、配管および配管継手、ポンプ、バルブなど様々な部品成形に使われます。

耐食コーティング / ライニング

設備の部品にコーティングすることで、耐候性や耐食性を付与し、長寿命化することができます。

耐候塗料・建材フィルム

優れた耐候性を持ち、耐用年数が長いため、航空機や建築物などを保護する用途で使用されています。

太陽電池のバックシートフィルム

紫外線で劣化せず、優れた耐熱性を持つPVDFは、太陽電池モジュールにおけるバックシートにも適しています。

リチウムイオン電池(バインダー / セパレーター)

PVDFは高い耐薬品性と電気絶縁性を持つため、リチウムイオン電池のバインダーとして使用され、電池の長寿命化と信頼性向上に寄与します。

また、耐薬品性・耐酸化性・耐放射線性を持ち、高純度で機械的強度に優れているため、セパレーターコーティング用途にも応用されています。

水処理膜・メンブレン

飲用水などの浄化にPVDF中空繊維超濾過膜が用いられています。水中の細菌、ウイルス、濁り、寄生虫及び錆等の物質を濾過しつつ、人体に必要な微量元素を保留することができます。

釣り糸・楽器の弦

PVDFの良好な機械的強度を生かし、釣り糸・楽器の弦に使用されています。

その他

半導体製造装置などを含む産業機械や、食品加工機械部品、医療機器など

PVDFの2つの重合方法

PVDFメーカーは、一般的にF142bを原料に、高温分解、精留によってVDFモノマーを得ます。そして、そのVDFモノマーから以下のいずれかの方法によって、PVDFを重合します。それぞれの重合方法にはメリット・デメリットがあり、用途によって使い分けることが重要です。

懸濁法

メリット

  • 不純物含有量が少なく、後処理工程が簡単
  • 電気絶縁性、強度、耐候性が高いPVDFを重合できる
  • 透明性が高いPVDFを重合できる

デメリット

  • 重合速度が遅いため生産性が低い
  • コストがかかる

乳化法

メリット

  • 重合速度が速く、生産性が高い
  • 低コスト
  • 粒度の小さいPVDFを重合でき、塗料などの用途に最適

デメリット

  • 乳化剤の残留が多く、完全に除去することは困難で、後処理工程が多い
  • PVDFの電気絶縁性、強度が落ちる
  • PVDFの透明性が損なわれる

丸紅プラックスが提供するPVDF


用途に応じて選択可能。多彩なグレードをご用意
丸紅プラックスは、乳化法 / 懸濁法どちらにも対応しています。独自の開発体制により、幅広いグレードのPVDFをご用意。用途に応じて、お客様に最適な製品をご提案いたします。

納品可能な形態
パウダー / ペレット / フイルム / シート / ロッド

PVDF DY-1 樹脂 コーティング用途

コーテイング用途のホモポリマーです。

タイプ

パウダー

用途

コーテイング、耐候塗料、水処理膜・メンブレン

PVDF DY-3 樹脂水処理膜用

良好な溶解性を持ち、フィルム用の材料に適しています。

タイプ

パウダー

用途

水処理膜・メンブレン

PVDF DY-5 樹脂 リチウムバッテリ用途

MFRが低く、分子量が高い粉末状PVDFホモポリマーです。極性有機溶剤に溶解されると比較的高い粘度と粘結性を持ちます。

タイプ

パウダー

用途

リチウムイオン電池バインダー

PVDF DY-7 樹脂

純度の高いポリマー樹脂で、優れた耐薬品性、耐酸化性、耐放射線性、及び良好な機械的特性を持っています。

タイプ

ペレット

用途

配管・配管継手・ポンプ・バルブ、建材フィルム

PVDF DY-7001 樹脂 ソーラー発電バックシート用途

高温下でより良い熱安定性と耐輻射性を持っており、ソーラー発電バックシートに適しています。

タイプ

ペレット

用途

ソーラー発電バックシート、建材フィルム

PVDF DY-9001/DY-9002 樹脂 リチウムバッテリ用途

大多数の化学媒体に耐えられ、優れた耐熱性、機械的強度、耐摩耗性、耐紫外線、耐放射性を持ちます。300℃を超えると熱分解が始まり、フッ化水素ガスが発生します。

タイプ

パウダー

用途

リチウムイオン電池バインダー

PVDF DY-10 樹脂 パワー電池用途

高粘度グレードの樹脂です。共重合モノマーには極性官能基があり、活性物質、金属極イオンと重合物間の結合性が改善でき、配合量を有効的に減らすことができます。

タイプ

パウダー

用途

リチウムイオン電池バインダー

PVDF DY-11 樹脂

純度が高く、優れた耐化学腐食性、耐酸化、耐射線、輻射性と良好な機械性能を持っています。高粘度で流動性が低く、糸状の加工に適しています。

タイプ

パウダー / ペレット

用途

釣り糸・楽器の弦

PVDF DY-11B 樹脂

比較的粘度は高いが、前述のDY-11より低粘度で流動性があるため、射出、押出成形が可能。配管、配管継手、ポンプ、バルブ、シートに適しています。

タイプ

パウダー / ペレット

用途

配管・配管継手・ポンプ・バルブ・釣り糸・楽器の弦

PVDF DY-12 樹脂

高純度、優れた耐薬品性、耐化性、耐放射線性、優れた機械的特性により、セパレーターコーティング用途に応用されています。

タイプ

パウダー

用途

リチウムイオン電池セパレーター