品質重視のめっき加工技術

品質重視のめっき加工技術

歴史あるめっき技術を継承しながらも、新製品開発に挑戦し続ける企業 東電工舎(あずまでんこうしゃ)

東電工舎(あずまでんこうしゃ)は、1924年の創業以来、めっき一筋に実績を積み重ねてきました。現在は工業用クロムめっきを中心に、新たな発想を加えた次世代の技術も開発中です。
徹底した品質管理のもと、お客様にご満足いただける製品とさらなる新しい技術開発を目指し、日々チャレンジし続けています。

また、2008年にISO9011を取得し自社でめっき液の管理、計測器具の管理、計測技術の管理をきっちり行って、品質管理を徹底し納期を厳守しています。
さらに、2025年1月には新事業「すべらない表面処理」では特許を取得しそちらも高い技術でご好評をいただいています。詳しくは特集記事をご参照ください。

工業用クロムめっきとは

工業用クロムめっき(硬質クロムめっき)とは、対象物に金属クロムの被膜を生成させるめっきのことです。金属クロムは大気中で酸素と結合することによって、表面に透明かつ極めて薄い不動態皮膜を形成するため、耐食性、光沢や硬度を得られます。
厚いめっきを施すことにより、高い硬度や優れた耐摩耗性、離型性の良さ(金型からの成形物の離れやすさ)、耐熱性、耐久性など多くの特性があるため、機械部品や金型などの工業製品に多く使われます。

東電工舎の工業用めっき加工技術

東電工舎で製造されるめっきは、精密度が要求される機械部品のめっきがメインです。機械部品のめっきは、複雑な形状のものやめっき加工が難しいものも多く、十分な技術ノウハウや経験を要します。東電工舎は、難めっき製品への均一電気めっき技術の確立や、多品種少量生産の自動化実現などが評価され、現社長が「平成18年度 現代の名工」として認定されており、業界の発展に貢献しております。


高い技術力を要する工業用クロムめっき

東電工舎では、深さ0.7m~2.2m、長さ0.8m~4.0mの多様なめっき槽を保有し、被めっき物の大きさや仕様、素材の材質に応じて最適な設備を選択しています。ワークの形状に応じて長さや深さの異なるめっき槽を使い分け、社内でバフ研磨や円筒研削も行っております。
めっき厚さは数μmから、10~200μmの厚付けまで対応可能で、摩耗してしまった製品や破損した製品の修復も可能です。

東電工舎の工業用クロムめっき 主な特徴

装飾用クロムめっき

装飾用クロムめっきは主に美観を持たせたい製品に対して用いられます。光沢のある色調で意匠性があるので、外観をきれいに整えるために使われることが多いですが、めっきの保護膜として使われたり、製品に更に硬度を持たせる目的で使われることもあります。
東電工舎では、工業用クロムめっきで培ったマスキング技術を活かし、通常では行われない装飾用クロムめっきにも対応しています。また、めっきの種類を変更することで、つや消しの仕上げも可能です。 
同社の設備は、重量250kgまでの製品に対応可能なキャリア型めっき装置を備え、畳3枚を縦にして横に並べたサイズの製品を一度に処理できる大きさのめっき槽を有しています。

東電工舎の装飾用クロムめっき 主な特徴


東電工舎独自の技術 複合めっき

東電工舎の独自の複合めっき技術は、不溶性の粒子をめっき液中に入れてめっき皮膜を作ると同時に、その不溶性粒子を固着させる技術です。これにより従来のめっきにはない特性を付与することができます。

複合めっきの種類

複合材料

用途

すべらない表面処理
2025年1月特許取得!
特許第7624756号

セラミック

印刷用ローラー、チャック、
ゴルフクラブなど


思い通りの"すべらなさ"を実現 すべらない表面処理 
《2025年1月特許取得!特許第7624756号》

複合めっきの一種である「すべらない表面処理」は、セラミックの粒子をニッケルめっきにより固着させ、その粒子を表面に突出させることにより、グリップ力を持たせ、対象物をすべりにくくさせる技術です。
この技術は、滑り止めが必要な部品や装置、例えば印刷装置のローラーやロボットの部品、ゴルフクラブのフェースなどに採用され、製品の性能や安全性の向上に貢献しています。


東電工舎の強み

100年の歴史と信頼の品質

東電工舎は大正時代の創業以来、めっき技術の先駆者としての地位を築いてきました。 品質管理を徹底しながらも、お客様の要求や意図をきちんと汲み取り、きっちり仕上げて納期を守るという基本のベースを大切にしています。

最新の生産設備やシステム化の導入(社内における物流改善とBCP対応)

高効率・高品質を実現する生産設備の導入も積極的に取り入れています。
2022年には、大々的に設備の更新と配置換えを行いました。重要な設備は地上から1m以上の高さに設置しましたので、工場が1m冠水しても早期に稼働出来ます。
円筒研削盤の導入やシステム化による自動化により、多品種少量生産の自動化を実現しました。

品質管理・環境対策を考慮した生産体制

品質やコスト、納期などの管理の力を社員全員で育てています。特に、お客様に渡すものに絶対不良を出さないという考えのもと、品質管理には徹底してこだわり、品質管理重視・環境配慮型の生産体制を構築しています。

産学連携による先端技術開発

次世代の技術として、早稲田大学と連携し、表面の発水性や親水性、発油性、親油性をめっきによってコントロールする基礎技術を開発中です。この技術によって、自動車や家電の撥水・防油加工、防汚コーティング、医療機器の表面改質など幅広い分野で活用されることが期待されます。

多様なめっき技術の展開

大正時代の創業以来、クロムめっき開発、アンチモニーへのめっき、銅めっき開発、めっき技術を用いた新しい表面加工技術の創造を行ってまいりました。
また近年ではセラミック複合めっき、ゼオライト複合めっき(抗菌めっき、芳香めっき)、フォトプレート、すべらない表面処理など、実用的で社会に貢献できる様々なめっき技術の開発に取り組んでいます。

東電工舎について

新しい挑戦と開発力

めっきを応用したアイディア商品の開発や、新たな工法での製品化など、次世代の事業につなげるための新規開発にも挑戦しています。他社ではうまくいかなかった試作や、めっき化によるコストダウンなど、ご相談も多岐にわたり受け入れています。

東電工舎が目指すもの

東電工舎では、お客様の目的やニーズを理解し、品質を最大限重視した仕事を納期どおりにしていくという、顧客満足度を大切に考えています。基本に忠実に、その中でプラスして次世代につながるような新しい技術開発にも取り組んでいます。
お客様とのつながり、社会とのつながり、社員とのつながりを大切にしながら多くの方から価値ある会社として今後も発展してまいります。

企業情報



所在地

〒130-0001 東京都墨田区吾妻橋3-10-9

創業

大正13年3月

URL

https://www.azuma-p.co.jp/