電動式バランサー|動力源別の種類・活用メリット・用途例を解説

電動式バランサー|動力源別の種類・活用メリット・用途例を解説

電動式バランサーは、重量物の取り扱いを改善する装置です。電気の力を利用して重量物をバランス状態に保ち、作業者が少ない力で容易に移動や位置決めを行えるようにします。製造業や物流業をはじめとする様々な産業で活用され、作業効率の向上、安全性の確保、そして従業員の負担軽減に大きく貢献しています。

本記事では、電動式バランサーの特徴やメリット、注意点、そして具体的な活用例について詳しく解説します。

動力源によるバランサーの違い


外部に動力を求めるタイプのバランサーは、主に「電動式」と「エアー式」の2種類に分類されます。

電動式バランサー

電動式バランサーは、電気の力を使って重量物をバランス状態にし、少ない力で移動や作業が行えるようにします。主に工場ラインや荷捌き場などで使用され、コンベヤやパレットへの重量物の移載に適しています。

その高い操作性と安全性、省エネ効果により、様々な産業分野で重要な役割を果たしており、作業効率の向上と作業者の負担軽減に大きく貢献する装置です。

エア式バランサー

エア式バランサーは、圧縮空気を動力源とする重量物搬送補助装置です。作業員が自分の力で持ち上げているような感覚で操作ができ、スムーズで脈動のない動作を実現します。

製造業や物流業など様々な産業で活用されています。

電動式バランサーを活用するメリット

作業効率の向上

省力化

電動式バランサーは重量物を容易に持ち上げ、移動させることができます。作業者は最小限の力で重い荷物を扱えるようになり、体力的な負担が大幅に軽減されます。結果として、作業者の疲労が減少し、長時間の作業でも高い生産性を維持できます。

省人化

従来2人以上で行っていた重量物の運搬や位置決めなどの作業を、1人で安全に遂行できるようになります。人員の効率的な配置が可能となり、他の作業に人員を振り分けることで全体的な生産性が向上します。

作業時間の短縮

重量物の搬送や位置決めが迅速かつ正確に行えるようになります。手作業で行っていた際の慎重な動きや調整が不要となり、作業のテンポが上がります。結果として、全体の作業時間が短縮され、生産性が向上します。

安全性の向上

腰痛防止

重量物を持ち上げる際の腰への負担が大幅に軽減されます。不自然な姿勢での作業が減少し、腰痛などの筋骨格系障害のリスクが低下します。長期的には従業員の健康維持にも貢献します。

事故防止

重量物の落下や不安定な状態での作業によるケガや事故のリスクが大幅に減少します。バランサーが重量を支えるため、作業者の誤操作による危険も最小限に抑えられます。

多様な作業への対応

精密作業

組立工程での部品の位置決めなど、ミリ単位の精度が要求される作業に適しています。作業者は両手を使って細かな調整ができるため、高精度の作業が可能になります。

多様な重量対応

自動的に荷物の重量を感知し適切な力で持ち上げるため、異なる重量の荷物を扱う際も再設定が不要です。生産ラインで様々な製品を扱う現場でも、スムーズに対応できます。

作業環境の改善

ユニバーサルデザイン

重量物の取り扱いに必要な体力的要件が軽減されるため、性別や年齢、体格に関わらず同じ作業が可能になります。多様な人材の活用が促進され、労働力不足の解消にも寄与します。

レイアウト最適化

電動式バランサーの導入を機に、作業場のレイアウトを見直すことができます。効率的な動線や作業スペースの確保により、さらなる作業効率の向上が期待できます。また、作業環境の改善は従業員の満足度向上にもつながります。

電動式バランサーのデメリット・注意点


電動式バランサーは多くの利点がありますが、いくつかのデメリットや考慮すべき注意点も存在します。

維持費の増加

電動式バランサーは初期投資が比較的高額になります。手動式や空気圧式のシステムと比較すると、購入時のコストが上昇します。運用面でも、電気系統の定期的な点検や保守が必要です。モーターや制御装置などの電気部品は経年劣化するため、適切なメンテナンスが欠かせません。

突発的な故障時には専門技術者による修理が必要となる場合もあり、長期的に見ると運用コストが増加する可能性があります。

設置場所の制限

電動式バランサーは電源供給が不可欠です。安定した電力供給が必要なため、設置場所が電源設備の近くに限定されます。移動式の場合でも、電源コードの長さに制約されます。装置自体のサイズも大きくなりがちです。

電動モーター、制御機器、安全装置などの部品が必要なため、手動式や空気圧式と比べて装置全体が大型化し、重量も増加します。結果として、設置スペースの確保や床面の耐荷重性能にも配慮が必要となります。

危険箇所では使用できない

電気を使用するシステムであるため、特定の環境下での使用に制限があります。例えば、可燃性ガスや引火性の高い液体を扱う場所では、電気系統からの火花が爆発や火災の原因となる可能性があるため使用できません。極端な高温や低温の環境下では、電気部品の動作が不安定になる可能性があります。

また、粉塵が多く発生する環境では、電気系統に粉塵が侵入し故障の原因となる可能性があります。このような危険箇所や特殊環境下では、防爆仕様の特殊な機器を使用するか、別の方式のバランサーを選択する必要があります。

電動式バランサーの用途例

電動式バランサーは、様々な産業分野で重量物の取り扱いを容易にし、作業効率を向上させる装置として広く活用されています。

製造業での活用

自動車産業:車両部品の組立作業、エンジンやトランスミッションの取り付け

電機・電子産業:大型家電製品の組立ライン、精密機器の移動・位置決め

金属加工業:金型や工作機械部品の搬送、鋼板や金属パイプの取り扱い

物流・倉庫業での活用

重量物のパレットへの積み下ろし、段ボール箱や袋物の搬送・積み付け、ペール缶や円筒物の移動

その他の産業

建設業:建材の搬送・取り付け、窓ガラスの設置

食品産業:大型食品容器の移動、原料袋の取り扱い

医療・福祉分野:医療機器の移動・設置、介護用ベッドの搬送

元田技研のバランサー「ワイマン」


バランサー「ワイマン」は、元田技研株式会社が開発・製造・販売している荷役助力装置です。製造現場・物流搬送現場で活躍する電動バランサーで、重量物の移動や搬送を効率的かつ安全に行うことができます。

主な特徴

多機能性

ワイマンは単に重量物を吊り上げるだけでなく、空中で品物の姿勢を維持したり、置く姿勢をコントロールしたりすることが可能です。

省人化に貢献

従来多人数で行っていた作業を1人で効率的に行えるようになり、省力化・省人化に貢献します。

安全性の向上

過負荷時にはトルク制御によりバランスして停止するか上昇しなくなる安全機能を備えています。

豊富なアタッチメント

作業内容に応じて「つかむ」「すくう」「吸着する」「まわす」などの様々なアタッチメントが用意されています。