特徴
フルボ酸とは
フルボ酸は、自然界では微量にしか生産されない腐植物質の一種で、通常は動植物などの死骸が微生物によって分解されて形成された腐植土壌に多く含まれます。腐植物質は、酸とアルカリ、それぞれに溶けるか、溶けないかによって、ヒューミン、腐植酸(フミン酸)、フルボ酸の3種類に分類されます。フルボ酸は酸とアルカリの両方に溶けるため、汎用性や効果の面で優れていますが、腐植酸(フミン酸)に比べて研究が少ない貴重な物質です。
純国産の高濃度フルボ酸資材「フジミン®」
フルボ酸資材の多くは、海外の採掘資源から抽出されているため、環境破壊や資源が枯渇する可能性があり、大きな問題となっています。当社では海外の採掘資源に頼らず、国内で産出された木質チップと有機酸を利用し、自然界に微量にしか含まれていないフルボ酸を高濃度に量産化する技術を長年にわたる腐植物質の研究によって確立しました。
フジミン®の効果
鉄・マグネシウムイオンなどの光合成に必要なミネラルをフルボ酸が包み込むことによって、効率良く植物がミネラルを吸収できるようになります。この現象をフルボ酸の「キレート作用」といいます。この他にもフジミン®には、肥料吸収の効率化・光合成の活性化・土壌pHの緩衝作用・土壌の団粒化促進・塩類の濃度障害の制御・植物の頑健性向上などの効果があります。
用途例
フジミン®を使用した国内事業展開 |
フジミン®は土木分野における緑化工事や造園、農業、林業など多くの分野で活用されています。
斜面緑化では、成長促進機能を活用し早期に緑化を行うことで山腹の表土の侵食を防止し、造園分野においては、発芽不良となったグラウンドの土壌改良を行い約3週間という短期間での緑化に成功いたしました。林業分野では高温障害によって生育不良となったスギの苗木にフジミン®を散布することで樹勢回復に成功した実績もあります。このように、国内での幅広い分野で多くの実績と効果を実感して頂いております。
写真:斜面緑化工施工地へのフジミン®散布試験結果 フジミン®散布区は、斜面全体が緑化されていますが未散布区は斜面上部の肥料成分が下部に流れ、全体が均一に緑化されていません。
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フジミン®を使用した海外事業展開 |
2018年にはフジミン®を活用した農地改善技術が、JICA(独立行政法人国際協力機構)の「中小企業・SDGsビジネス支援普及実証事業」に採択されました。パラグアイ共和国では、連作障害や肥料の多投によって土壌環境が悪化し、農作物の収穫量や品質の低下が問題となっています。本事業では、大豆・ゴマ・トマト・ピーマンの農地にフジミン®を散布することによって、土壌環境を改善し、農作物の収穫量増加や品質向上に繋げる事でパラグアイ共和国の農業の生産性向上や貧困層の生計向上への将来的な貢献を目指しています。パラグアイの他にも、ロシアやウズベキスタンにおいて、フジミン®を活用した事業を展開中です。
写真:パラグアイのライム農地においてフジミン®を散布した事例です。右側のライムはフジミン®を散布しており、左側の未散布よりも樹高が高くなり収穫量も増加しました。
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パラグアイのトマト農園での事例 |
パラグアイのトマト農園においてフジミン®を散布した事例です。散布した箇所は散布していない箇所よりも成長が速くなり、色味が濃く成熟したものが多く収穫できました。成長が速くなることで年間の収穫回数が増え、収穫量の増加に繋がりました。
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パラグアイのゴマ農園での事例 |
パラグアイのゴマ農園において、フジミン®の効果検証しました。フジミン®を散布した箇所は、散布していない箇所に比べ茎や根が太く長くなり、結実数が増加しました。その結果、収穫量が散布していない箇所では277㎏/haでしたが、散布した箇所では909㎏/haと約3倍の収穫量が増加しました。
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