特徴
高いエネルギー効率で目標の温湿度を自在に作り出せるリキッドデシカントの仕組み
リキッドデシカントは液体調湿剤の温度と濃度を変えることで、接触する空気の温度と湿度を自由にコントロールすることができます。
当社は調湿液・その温度を調節する冷温水・空気の3つの流体の熱交換を同時に行うことができる最先端の独自技術を世界で初めて開発しました。3流体熱交換器には一般的な空調機に組み込まれている加熱コイル、冷却コイル、加湿器の機能がすべて含まれているということになります。
主な特長として、中温域の温度帯の熱源で十分な性能を発揮できるので、今まで捨ててしまっていた排温水や高効率なヒートポンプなどからの熱源が利用できます。
また、絶対湿度差△12g/kg`以上の大きな除加湿能力があり、除湿運転では、冷却式では実現できない低い露点温度の給気が可能、加湿運転では、低い温水(45℃程度)でも大容量の加湿(夏季外気相当)が可能です。
高い温度の冷熱源で十分な除湿能力を発揮しエネルギー効率向上
除湿運転では、処理機で空気中の水分を吸収しながら温調し、再生機で処理機で吸収した水分を放出しています。
冷水は処理機で、温水は再生機でその流量の制御によって液体調湿剤の適正な温度と濃度をコントロールしています。
5~25℃程度の冷水と40℃~60℃の温水を用いて、民生・産業のニーズの多くを充足する温度と湿度の組み合わせを作り出すことができます。
過冷却再加熱の冷却方式の空調では、比較的温度の低い温度の冷水やブラインが必要です。
リキッドデシカントであれば給気の露点温度よりも高い温度の冷水でその露点温度以下の給気が可能です。そのため、冷水温度を上げて熱源の高効率化やダウンサイジングを図れ、省エネ・CO2削減を実現します。
低い温度の加熱源で十分な加湿能力を発揮しエネルギー効率向上
除湿運転では、処理機で空気中の水分を吸収しながら温調し、再生機で処理機で吸収した水分を放出しています。
冷水は処理機で、温水は再生機でその流量の制御によって液体調湿剤の適正な温度と濃度をコントロールしています。
5~25℃程度の冷水と40℃~60℃の温水を用いて、民生・産業のニーズの多くを充足する温度と湿度の組み合わせを作り出すことができます。
加湿を行う場合には、温水と補給水を供給して、それらの流量を制御することで給気の温度と湿度を自在にコントロールします。リキッドデシカントなら蒸気や高温水を使用しないで45℃程度の低温の温水で33℃57%RHの空気状態を作り出せるので、 排熱利用の可能性が広がります。
また、ヒートポンプで供給可能な30℃~50℃の温水を用いて、絶対湿度9.6g/kg’~19.0g/kg’の加湿ができます。
低温熱源で蒸気式に匹敵する加湿力、清浄性、省エネ性、制御性、産業適合性及び大風量対応などの項目において優れています。特に加湿性能を評価され、2019年度省エネ大賞を受賞いたしました。
生成や搬送の過程で多くのロスが生じる蒸気式と異なり、給水した水は100%加湿に用いることができます。蒸気加湿からの置き換えにより大幅なCO2削減効果が期待できます。
生産設備や熱源設備変革への寄与
空調機としての完成形以外に、心臓部であるリキッドデシカントモジュールそのものを活用していただくことも可能です。
例えば(左図)空調機やダクトの途中にモジュールを設置して、蒸気設備のダウンサイジングや熱源の中温化を図ることができます。
ブラインチラーや蒸気ボイラーが不要になったり、同じ冷水でも温度が7℃から10℃になることで熱源効率が約20%アップすると言われています。
また、右の図のように生産装置内に組み込むことで、設置スペースの最小化や、ファンの搬送動力の低減が図れます。
用途例
導入事例1 介護施設 |
対象面積 ①約3,600m2 ②約3,500m2
施設規模 ①100床 ②100床
導入機種 ①MP9000HPGT (風量9,000m3/h)×1台②MP6000HPGT (風量6,000m3/h)×1台
「その人らしく生きてもらうために」必要な環境とサービスのご提供をテーマとされています。入居者の方やスタッフに快適な空気環境で過ごしてもらうために、モイストプロセッサーをご採用いただきました。
ホームページにおいてモイストプロセッサーによる除湿・加湿の機能をアピールしていただいております。
除湿・加湿効果など機器の性能にご満足いただき、2012年にご導入の施設(①)に続いて、2019年2月に新施設(②)にご導入いただきました。 既施設ではエアコンの使用量が少なかったため、新施設ではエアコンの容量を25%削減した設計となっております。
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導入事例2 総合病院 |
対象面積 約13,000m22
施設規模 226床
導入機種 MP9000HPSH×2、MP6000HPSH×2(合計風量30,000m3/h)
2011年10月に開院した新病院では、患者様やご家族が安心して過ごせるよう、快適な環境を提供することをお考えになられていました。
そのような中、ご導入いただいたモイストプロセッサーは、換気をしながら除湿・加湿ができ、除菌・除塵・消臭といった性能も持ち合わせている点を評価いただきました。
冬季は暖房のため乾燥しすぎてしまう中、湿度40%を維持できたことも評価いただき、すぐ近くにある療養病院にもご導入いただきました。
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導入事例3 私立高等学校 |
対象面積 約5,000m2
導入機種 MP9000HPGT (風量9,000m3/h)×3台、 MP1500HPGT (風量1,500m3/h)×1台
2011年10月に開院した新病院では、患者様やご家族が安心して過ごせるよう、快適な環境を提供することをお考えになられていました。
設立50周年の学校設備整備計画の際に、生徒に安心できる空気環境で過ごしてほしいという考えから、換気をしながら除湿・加湿ができる空調機としてモイストプロセッサーをご導入いただきました。花粉や黄砂を抑制する点についても評価いただき、安心かつ快適な環境を学校に整備することが生徒や先生の健康管理につながっており、校舎、ホール、道場の調湿を担っています。
モイストプロセッサーで調湿 ・換気をすることで快適な環境での勉強や部活動のパフォーマンス向上が期待されます。
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導入事例4 ホテル |
対象面積 約1,600m2
導入機種 MP9000HPGT (風量9,000m3/h)×1台
熱海において長い歴史を持つホテルの新館設立の際に併設されたオーシャンスパに、モイストプロセッサーをご導入いただきました。
長期滞在型温浴施設を目指した施設に、モイストプロセッサーを用いて快適な空気環境が整えられ、室内着で様々なくつろぎの時間を楽しめるラウンジエリアが実現しました。湿度の高い温浴施設に入った後にさっぱりと汗が引いて体温が保たれ、常に安定した空気環境で過ごせる、とご満足いただいています。
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導入事例5 清酒製造工場 |
対象面積 約11,800m2
導入機種 冷温水受給型処理機マルチタイプ(風量22,500m3/h)
お酒の品質を安定的に維持するために製造工場では工程毎に異なる温湿度管理が求められます。2011年竣工の新しい清酒醸造蔵は、温湿度管理と省エネルギーの両立をテーマに計画されており、エネルギー消費を最小限にしながら自由自在な温湿度を作り出すことの出来るモイストプロセッサーが採用されました。
外気導入をする処理機8台に対し、調湿液の濃度をコントロールする再生機を4台に統合する工夫で、イニシャルコストの低減を図りました。導入した結果、年間144,000kWhの電力削減効果が得られました。
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導入事例6 ビール製造工場 |
対象面積 約1,600m2
導入機種 MPRC4500TFX (風量4,500m3/h、イオン液体モデル)
生産ラインの結露を防止する目的で、工場内を常に低温で湿度50%以下に保つための外気処理装置としてイオン液体モデルのモイストプロセッサーが採用されました。調湿液のキャリーオーバーが全くなく、除菌力があり金属に対する腐食性が極めて低いことが評価され、古い海外製のリキッドデシカント機から置き換えていただきました。
大幅な消費エネルギーと排出CO2の削減の実現が可能で、当初は既存の冷温水熱源を受給するシステムですが、将来的にはヒートポンプ熱源に置き換えることで更なるCO2削減を見込んでいます。
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塗装ブースの既設空調に付加した場合の想定事例 |
(例)トータル風量42,000m3/hのAHUにリキッドデシカント20,000m3/hを給気した場合
全外気処理方式、給気条件:25℃60%
リキッドデシカントの熱源は45℃の排温水です。 既設の空調機の上流にリキッドデシカントを追加して、空調機の外気負荷を低減します。 ここでは、成型機の冷却水など、45 ℃の排温水を空調機の熱源として利用し、40℃で戻します。排温水を熱源として利用して、効率の悪い蒸気の使用量を削減することによって、大幅な省エネル
- 既設の空調システム CO2排出量:301トン 運転コスト:約960万円
- リキッドデシカントを用いたシステム CO2排出量:96トン 運転コスト:約300万円
それぞれ年間で68%の削減率となりました
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